抗生物質について

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抗生物質について

細菌感染症の治療には必ず抗生物質を使います。外来で治療する場合は、内服薬を使います。抗生物質は、文字通り細菌を殺したり、細菌の発育を抑える薬です。しかし最近では、耐性菌といって抗生物質が効きにくい細菌が増えており使い方が難しくなっています。理想を言えば、各々の場合で細菌検査をして原因の細菌を決定し、その細菌に有効な抗生物質を使うといいのですが、これには、コストと時間がかかりますから、当院では、経験的に効果のある抗生物質を使います。
患者さんの中には、「強い抗生物質」「弱い抗生物質」という表現をされる方もいらっしゃいますが、私に言わせてもらうと、「効く抗生物質」「効かない抗生物質」といったところでしょうか。
急性の細菌感染症の場合、有効な抗生物質を1週間内服すればほぼ治癒します。そこで、1週間同じ薬を処方して治癒傾向がない場合はその抗生物質は無効であると私は考えています。
「くすりはリスク(危険)」です。この、際たるものが「抗生物質」です。普通のかぜなら抗生物質はいりません。かぜのときに、細菌感染が起こっていないのに予防的に抗生物質を使うから、耐性菌が出ます。当院では、安易に抗生物質は処方しません。